HDD 1 台構成 LinkStation E04 の対処法

LS210DC

この記事は以下の読者を想定して書かれています:

  • この症状が何なのか知りたい
  • とにかく安くデータを救出したい

対象になる機種は HDD を1台内蔵する LinkStationです。

症状の説明

Buffaloによる LinkStation の E04 の説明は以下の通りです:

ファームウェアが破損しています。
弊社修理センターへ修理をご依頼ください。

おそらく、このページをご覧の方は Buffalo の エラーコード一覧のページを確認済であると思います。LinkStation のエラーコード表示は LED の点滅の仕方から読み取ることになっています。これは 1.0 秒の点滅と0.5秒の点滅を見分けなければなりません。E04 の場合は E22 とかなり区別がつきづらいと感じられたのではないでしょうか。もしかしたら、どちらかわからない状態でこのページをご覧になられている方もいらっしゃるかもしれません。
また、LS-XL、LS-YL のエラーコードの説明のページ では E04 に関する記載がありません。これが実際に存在しないのかどうかはわかりませんが、いずれにせよこの記事は、HDDの中に入っているデータを取り出したい方のために書かれているので、このまま読み進めていただいて問題ありません。

データ救出の見込みは?

E04 が発生した HDD 1台を内蔵する LinkStation のデータ救出の見込みにはおよそ以下の3通りの区分があります:

  • 自力救出可能
  • 復旧業者なら救出可能
  • どうやってもデータは救出不可能

HDD に目立った異常がない場合は自力救出可能な場合が多いです。LinkStation は、不意に電源が切れたりした場合に、HDD そのものが破損しなくても、HDDに記録されているデータとしてのファームウェアが破損すると正常に起動できなくなってしまいます。E04 が発生した場合の大部分はこの状態に該当します。このような場合には、共有フォルダとして見えている部分のデータは無事なことが多いため、自力でデータを救出できる見込みがあります。

逆に、自力救出がかなり難しいのは以下のような場合です:

  • HDD から異音がする
  • HDD から駆動音がしない
  • HDD が BIOS / UEFI レベルで認識されない
  • HDD の S.M.A.R.T 情報に多量のセクタ異常が記録されている

これらのいずれの場合も、即刻、これ以上の通電をやめてください。場合によっては永久にHDD内のデータが失われる可能性があります。

HDD が BIOS / UEFI レベルで認識されるかどうかは、お手持ちのPCに HDD を接続して、BIOS / UEFI の画面の接続されているデバイスの一覧に表示されているかどうかで確認することができます。もしくは、各OSのHDD管理画面(Windows の 「ディスク管理」 など)で表示されるかどうかでも確認できます。そもそも、BIOS / UEFI の画面の表示までいかない場合も接続したHDDに自力救出が難しいといえる問題が発生しているといえます。

HDD の S.M.A.R.T 情報に多量のセクタ異常が記録されているかどうかは、上記と同様にお手持ちのPCに HDD を接続してみて、Windows 等が起動した後に、CrystalDiskInfo などを使用して確認することができます。

HDD を 1台内蔵するLinkStationのHDDの取り出し方法は、実際かなり面倒ですが、自力救出する場合にはいずれにせよ行わなければなりません。具体的な方法については「(お手持ちのLinkStationの型番) 分解」などでインターネット検索して探してみてください。
なお、LinkStation を分解すると Buffalo 社の補償の対象外となります。ご注意ください。(どのみち壊れた LinkStation のデータは補償の対象外ですが)

以下では上記の3つの区分について、より詳しく説明します。

自力救出方法

E04 が出てしまった LinkStation からデータを救出するための方法は主に以下の4種類が知られています:

  • EM モードにしてからファームウェアアップデートを実行する
  • Ext2Fsd を使う
  • FUSE for OS X を使う
  • 1CD Linux を使う

EM モードにしてからファームウェアアップデートを実行する 方法は、リスクがあるため、あまりお勧めしません。Ext2Fsd を使う方法と FUSE for OS X を使う方法は使用するOSが Windows か Mac OS X かの違いがあるだけで本質的には同じです。1CD Linux を使う方法は ISO イメージをDVDに焼く手間はありますが、リスクがなく、先の3つの方法よりも確実に実行できるのでお勧めです。

以下では、上記の4種類の救出方法について、より詳しく説明します。

EM モードにしてからファームウェアアップデートを実行する

E04 が発生した LinkStation を何回か電源を切り入りすると "EM モード" になる場合があります。EM モードは製品の作られた時期によって、Buffalo の表記が以下のように変遷していますが、本稿では文章の簡素化のために表記を "EM モード" で統一します:

  • EM モード
  • エマージェンシーモード
  • スタンバイモード

EM モードになっているかどうかは LinkStation名の一部に"EM"と表示されてアクセスできません - アンサー詳細 | BUFFALO バッファロー にあるように、LinkStation と同一ネットワーク上に存在する PC から NAS Navigator 2 で確認することができます。
EM モードになる 場合がある というのが曲者で、ならない場合もあります。その場合はほかの方法を試すことになります。

運よく LinkStation が EM モード になったらTeraStation名の一部に"EM"と表示される場合にファームウェアをアップデートする方法がわかりません - アンサー詳細 | BUFFALO バッファロー に書いてある手順に従って、お手持ちのLinkStation用の最新のファームウェアアップデータを Buffalo のサイトからダウンロードして実行します。

ここで注意点が3つあります:

  • 試行回数はせいぜい数回に収める
  • フォーマット実行の確認メッセージが出たら、絶対に実行しない
  • 完了後にディスクチェックが走って止まりそうにないときは、即座に電源を切る

この方法の試行回数はせいぜい数回に収めてください。ファームウェア領域だけでなく、肝心のデータ領域まで破損してしまう場合があります。最悪の場合には、データが永久に失われてしまいます。

フォーマット実行の確認メッセージが出たら、絶対に実行しないでください。EM モード でファームウェアアップデートを実行すると、フォーマット実行の確認メッセージが出る場合があります。この場合は必ず「いいえ」を押して、作業を中断して下さい。間違って「はい」を押してしまうと、データが永久に失われてしまいます。

完了後にディスクチェックが走って止まりそうにないときは、即座に電源を切ってください。おそらく正規の手順で電源を切ることはできないので、ACアダプターのコネクターを引き抜くことになります。一度この状態になってしまうと、何日待ってもディスクチェックが終わることはありません。また、さらに悪いことに、この間、LinkStation 内のデータは破壊の脅威に晒され続けることになります。

この手順で問題が発生した場合には、ほかの手順を試すことを検討してください。

Ext2Fsd を使う

Ext2Fsd を使う方法は Windows PC がある場合に使用可能です。ただし、この方法は LinkStation のデータ領域が ext3 でフォーマットされている場合にのみ有効です。
この方法は Google で検索するとかなり最初の方に出てきます。しかし、残念なことに、ほとんどの LinkStation では使えません。なぜならば、ほとんどの LinkStation は XFS でフォーマットされているからです。XFS でフォーマットされている LinkStation を接続すると、Ext2Fsd のパーティション選択画面で 「RAW」と表示されて、それ以上作業を進めることができません。
この方法が有効なのは、おそらく最初期のHD-LANシリーズ、HD-HGLANシリーズのみであろうと思われます。また、この方法はユーザーが明示的にext3フォーマットを選択した場合には依然として使用可能です。

FUSE for OS X を使う

FUSE for OS X を使う方法は、OS X がインストールされた Mac がある場合に使用可能です。
この方法は LinkStation のデータ領域のフォーマットが XFS の場合と ext3 の場合のどちらでも使用可能です。
ただし、「ターミナル」(端末エミュレーター)とコマンドラインを使う作業になるので少しわかりづらいかもしれません。
この方法を試すには、MacでXFSをマウントする ? yamaq blog が参考になります。

1CD Linux を使う

1CD Linux を使う方法は、パソコンのOSの種類に依存しない最も汎用的な方法です。
この方法は LinkStation のデータ領域のフォーマットが XFS の場合と ext3 の場合のどちらでも使用可能です。
この方法は Live CD / DVD と呼ばれるHDDやSSDなどの内部ストレージにインストールすることなく、直接Linuxを起動させることができるCDやDVDを使用します。この方法で使用される代表的なLinuxディストリビューションはKNOPPIXUbuntu です。

この方法は以下の手順によって構成されます:

  1. Live CD の ISO イメージをサイトからダウンロードする
  2. CD-R や DVD-R に焼く
  3. PCにDISCを挿入し、CD / DVD から Linux を起動する
  4. HDDを SATA→USB アダプターに接続する
  5. アダプターをPCに接続する
  6. アダプターの電源を入れる
  7. 画面操作で中身を確認する
  8. USB メモリなどの別媒体へ中身をコピーする

NAS-RESCUE の LinkStationデータ取り出しHDD1台用 もこの方法に属しています。ただし、以下の点が異なります:

  • ISO イメージ を ダウンロードして焼く必要がない
  • 専門技術スタッフが応対する手厚い復旧サポート付き(電話/メール)
  • 復旧できなかった場合の 復旧サービス優待付き

復旧業者で可能な救出方法

ここからはやや専門的な内容になります。
上記では、HDD に目立った異常がない場合は自力復旧が可能だと説明しました。しかしながら、HDDに異常がある場合には、発生している問題ごとに実にさまざまな処置が必要です。
以下がHDDを1台内蔵するLinkStationで起こりうる代表的な問題です:

  • 部分的に読み出し異常がある
  • ファイルシステム が損傷している
  • HDDの基板に異常がある
  • HDDのヘッドやサーボモーターに異常がある

これらの問題は単体で発生するのではなく、相互に影響しあって同時に発生することに注意が必要です。そのような場合には、最も根本的な物理部分に近い問題を解決してから、より論理的な部分の問題に取り組む必要があります。

以下ではこれらについてより詳しく説明します。

部分的に読み出し異常がある

HDDに部分的に読み出し異常がある場合は、読み出し異常に耐性のあるクローンHDD作製ツールを使用することでデータを救出できます。
HDDの部分的な読み出し異常は、プラッタ上のセクタに異常が発生することによって引き起こされます。プラッタとはHDDの内部に存在する回転する円盤です。セクタとはプラッタ上に存在するデータの読み書き単位のことです。

クローンHDDとは、OSからはHDD固有の識別情報など以外は全く同じように見えるHDDのことです。Windows のエクスプローラーなどで行うことができるファイルシステムレベルでのファイルの複製を行ったHDDと区別するために「クローン」という表現を使う慣例があります。

読み出し異常に耐性のないクローンHDD作製ツールならば、無料のものもたくさんあります。これらと読み出し異常に耐性のあるクローンHDDの違いは、読み出し異常に遭遇したときの動作にあります。

読み出し異常に耐性のないクローンHDD作製ツールは、読み出し異常に遭遇したときに異常終了してしまうものが大半を占めます。一方で、読み出し異常に遭遇したときに無視して次に進むことができるツールもあります。読み出し異常に遭遇したときに無視して次に進むことができる代表的なツールは、EaseUS Disk Copy です。ただし、数年間更新されていないので、UEFIを用いるようになった最近のPCでは動作しない場合があります (Ver. 2.3.1 2015/12/18時点) 。EaseUS Disk Copy でクローンHDDを作成し、異常のあるHDDと置き換えるだけで、データの救出が可能な場合もあります。EaseUS Disk Copy は無料で使えるので試してみるのもよいかもしれません。

読み出し異常に耐性のあるクローンHDD作製ツールは、読み出し異常に遭遇したときに、それらに対してさまざまなアプローチで読み出しを再試行する機能を有しています。また、この種類のツールは読み出し異常によってデータが複製されない箇所を最小限に抑える機能も備えています。

NAS-RESCUE CloneMeister は読み出し異常に耐性のあるクローンHDD作製ツールです。

ファイルシステム が損傷している

ファイルシステムが損傷している場合は、ファイルシステムを修復することでデータを救出できます。ファイルシステムの完全な修復が困難な場合は、破損している部分のフォルダ階層に関する情報やファイルをあきらめて、救出可能なファイルだけを取り出すことになる場合もあります。
ファイルシステムの損傷は、HDDの部分的な読み書きのエラーによって発生します。また、別の場合では、HDDの読み書き中に LinkStation の電源や内部基板に異常が起きた場合にも発生します。

ファイルシステムの修復には Linux 上で XFS, ext3 のそれぞれに対して用意されているファイルシステムメンテナンスツール群を使用します。これらのツール群の中で、XFS では xfs_repair、ext3 では e2fsck を最初に試します。この作業は Linux 上のコマンドラインでの作業になるので、Linux とそのファイルシステムに関する知識が求められます。

NAS-RESCUE データ復旧サービス は、このような症状のデータの救出を行うことができます。

HDDの基板に異常がある

HDDの基板に異常がある場合には、HDDの基板に処置を施すことでデータを救出することができます。HDDの基板に施す処置として代表的なものは、同一モデルの正常に動作する別のHDDの基板との置き換えです。
ただし、多くの場合、ただ置き換えただけではデータを読み出せるようにはなりません。基板上のコンピューターチップに専用の装置を使ってアクセスして、記録されているデータを書き換える必要があります。
このデータの書き換え作業を正しく行わない状態で HDD を作動させてはいけません。そのような場合にはデータの救出が困難になってしまいます。

NAS-RESCUE データ復旧サービス は、このような症状のデータの救出を行うことができます。

HDDのヘッドやサーボモーターに異常がある

HDDのヘッドやサーボモーターに異常がある場合のデータの復旧はかなり困難です。これらの問題が発生しているHDDを多くの業者では「重度物理障害」やそれに類する障害に分類します。
このようなHDDからのデータの救出には、開封作業が必要になります。
開封作業とは密閉されたHDDの蓋を開ける作業のことです。この作業をしてしまうと完全に後戻りができなくなります。ひとたび技術や設備が不十分な業者に依頼してしまうと、ほかの業者なら取り出せたかもしれないデータが永遠に失われることになります。また、この作業を行う場合には復旧料金も高額になる傾向があります。この状態のHDDのデータ復旧を依頼する業者の選定には細心の注意が必要です。

開封作業でよく行われるのが、ヘッドを含む機構のまとまりであるヘッドスタックアッセンブリの交換です。近年のHDDは、記録密度の上昇と、それに伴うヘッドとプラッタの間隔の縮小により、プラッタに傷をつけずにヘッドスタックアッセンブリを交換することすら困難な状況です。真似事で交換を試みるのは非常に危険です。

NAS-RESCUE データ復旧サービス は、このような症状のデータの救出を行うことはできません。

ただし、異音がするHDDのすべてがこれに該当するわけではありません。ヘッドやサーボモーターを制御する機能は基板にあるので、基板に異常がある場合もヘッドの動作がおかしいと思えるような音がします。このようなHDDの修復には開封作業は必要ありません。

どうやってもデータは救出不可能な場合

残念ながらどうやってもデータを救出できない場合があります。これは主に以下の場合です:

  • データが上書きされている
  • プラッタが損傷している

以下では、これらの場合について説明します:

データが上書きされている

データが別のデータで上書きされている場合にはデータの救出は不可能です。データが入っているHDDをフォーマットしてしまった場合もこれに含まれます。
一方で、一度のデータの上書きでは媒体面の残留磁気から元のデータが推測可能などと言われることがあります。しかし、これは国家機密レベルの情報を膨大な資産をつぎ込んで取り出す場合の話です。個人や一般企業が実行可能なことではありません。

ただし、通常のHDDのフォーマットでは、HDDのすべてのデータが上書きされるわけではないので、フォーマット後にデータを書き込まなければ、ある程度のファイルを救出することができます。

このような場合には、即座にHDDの使用をやめ、復旧業者に依頼することをお勧めします。

プラッタが損傷している

プラッタが損傷している場合にはどうやってもデータを取り出すことはできません。例えば、プラッタに傷や腐食が見られる場合にはその影響を受ける範囲のデータを取り出すということは不可能です。

プラッタの傷は回転しているプラッタにヘッドが接触することによって引き起こされることが多いです。これは作動中のHDDに物理的な衝撃が加えられた場合などに起こります。特に、アームが歪んでしまっている場合には、HDDに通電してプラッタが回転するほどに、ヘッドとプラッタが接触して、プラッタの傷が増えて、読み出せなくなる箇所が広がります。

プラッタの腐食は浸水によって水に含まれる塩(えん)によってプラッタの表面が侵されることによって発生します。これはHDDが水没した場合などに起こります。HDDは、ごく瞬間的な水没であればプラッタが格納されている箇所にはまったく浸水しないほどに密閉された構造になっています。しかし、長時間水圧にさらされると当然のことながら、HDDの内外圧を調整するための吸排気用フィルター部や、シーリング部から水がしみ込んでしまいます。この場合にはHDDを乾燥させないことが重要です。乾燥することで、プラッタの腐食がすすんだり、表面に塩の結晶が生じることでデータを読み出せる箇所が減ったりします。

このような場合に復旧業者は損傷の影響を受けていない部分のデータの救出のみを目指します。復旧業者に依頼する前に損傷の範囲を広げてしまわないことが重要です。

記事の内容がよくわからない場合

異常が発生した HDD を1台内蔵する LinkStation からとにかく安くデータを救出したい方には以下の製品がおすすめです:

NAS-RESCUE の LinkStationデータ取り出しHDD1台用の特徴:

  • 料金は 5,400円 + SATA→USB 変換アダプター代 のみ
  • 操作は付属のDVDをPCに挿入して起動するだけ
  • 専門技術スタッフが応対する手厚い復旧サポート付き(電話/メール)
  • 復旧できなかった場合の 復旧サービス優待付き

また、根本的に LinkStation がどういう仕組みで、現在どういう状態になっているのかを理解したい方には以下の無料講座がおすすめです:

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Tag: LinkStation E04