今回の記事は、TeraStationが故障して、再度電源を入れ直した時に現れる、以下の症状の内、
- ①電源が入らない。
- ②起動の途中で、液晶画面の表示が変わらない。
- ③Beep音が鳴り、赤い液晶画面で、EMモードと表示されている。
- ④Beep音が鳴り、赤い液晶画面で、「E04 Can’t Load Kernl!」などと表示される。
②起動の途中で、液晶画面の表示が変わらない。についての記事です。
この現象の原因は、
- (1)基盤の故障
- (2)ハードディスクの故障
の二つになります。
原因を特定するには、TeraStationに電源投入から、正常起動までの液晶表示を確認すれば、おおよその判断が可能と思います。
TeraStationの起動時の液晶表示の遷移
TS-XELの起動時の液晶表示を例に説明します。
No. | 表示内容 | 背景色 | 説明 |
---|---|---|---|
1 | Buffalo Version! 3.01-0.01 | オレンジ | BIOSの起動 ココで止まった場合は、基盤の異常(※1) |
2 | Initialize Boot FLASH | オレンジ | |
3 | Initialize NAND FLASH | オレンジ | |
4 | Detected NAND 0 MB | オレンジ | |
5 | Initialize Xor Engine | オレンジ | |
6 | Initialize Power Scheme | オレンジ | ハードディスクへの電源投入 ココで止まった場合は、 表示されているハードディスクの異常 物理障害の可能性大(※2) |
7 | Hard disk HD 1 Power ON | オレンジ | |
8 | Hard disk HD 2 Power ON | オレンジ | |
9 | Hard disk HD 3 Power ON | オレンジ | |
10 | Hard disk HD 4 Power ON | オレンジ | |
11 | Initialize SATA 0Channel | オレンジ | ハードディスクへのアクセスを確認 OSのロード。ココで止まった場合は、 いずれかのハードディスクの異常(※3) |
12 | Welcome to TeraStaion | オレンジ | OSを起動 RAIDの構成 サンバ(ファイル共有)の起動 ココで止まった場合は、(※4)で |
13 | Welcome to TeraStaion | ブルー | 正常起動 |
(※1)「Initialize Boot FLASH」等で止まった場合
この段階では、ハードディスクにアクセスしていない状態なので、ここで止まった場合は、基盤の異常が考えられます。
(※2)「Initialize Power Scheme」等で止まった場合
この段階では、ハードディスクに順次電源を投入していきます。
おそらくこの段階では、ハードディスクの型番と、SMART情報の読み取りを行っていると思われます。
電源を投入出来ない場合、
- ハードディスクが接続されていない
- ハードディスクが完全に故障していて電源が入らない
ということになります。
しかし問題は、ハードディスクに電源は入るが、正しく起動しない場合です。この場合、TeraStation側では、予期しない信号を受け取ると、ここで止まってしまう可能性が有ります。
止まった時の液晶表示によって、故障したハードディスクの特定が可能です。
(※3)「Initialize SATA 0Channel」で止まった場合
この段階における、TeraStationの動作と、動作を停止した場合の原因を以下の表にまとめました。(推測の部分も有ります)
No. | TeraStationの動作 | 停止時の原因 |
---|---|---|
1 | Linuxのコア部分のRead | ハードディスクの故障 |
2 | Linuxのコア部分をメモリに展開 | 基盤の故障 |
3 | Linuxのコア部分の起動 | 基盤の故障 |
4 | OS部、スワップ部のRAIDを構成 | ハードディスクの故障 |
5 | OSをロード | ハードディスクの故障 |
6 | OSの起動 | ハードディスクの故障 |
TeraStationの場合、OS部がRAID構成になっている為、RAID構成が先か、OSの起動が先か?という疑問が起きますが、
Linuxのコア部分のみをメモリにロードして起動し、
その後、OS部のRAIDを構成して、TeraStationのOSが起動すると考えられます。
(※4)オレンジ背景の「Welcome to TeraStaion」で止まった場合
この段階では、OSがTeraStationとして動作するための環境整備を行います。
ここで止まった場合、
OSの各種ファイルが正しくReadできなかった事
データ部のRAID構成が正しくできなかった事
が、考えられます。ということは、ハードディスクが故障していることが原因になります。
「基盤の故障の場合」の対処方法
基盤が故障した場合、基盤の交換を行えば良いのですが、基盤の単体で販売していません。
オークションなどから中古TeraStationを購入して、置き換えをすることになります。
「ハードディスクの故障の場合」の対象方法
故障しているハードディスクを特定できる場合は、故障しているハードディスクを外した状態で、TeraStationに電源を入れると、起動する場合も有ります。(起動しない場合も有ります)
RAID構成により、取り外し可能なハードディスクの台数が異なるので、注意が必要です。
4台構成のTeraStationの取り外し可能な台数
RAID6の場合、2台まで可能。
RAID5の場合、1台まで可能。
RAID10の場合、Disk1とDisk2のいずれか1台と、Disk3とDisk4のいずれか1台。計2台まで可能。
2台構成のTeraStationの取り外し可能な台数
RAID1の場合、1台まで可能。
RAID0の場合、取り外し不可。
まとめ
「②起動の途中で、液晶画面の表示が変わらない。」について、まとめました。この現象の原因は、
- (1)基盤の故障
- (2)ハードディスクの故障
であり、TeraStationの液晶表示の内容で、原因を特定できる可能性について、説明しました。
上記の原因の対処方法についても、簡単に説明しました。
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