LinkStation を使用していると、ある時から、なんだかよくわからないタイミングでLinkStation の電源が落ちるようになってしまうことがあります。今回はその対処法をお教えします。
結論
LinkStation 背面のスイッチが AUTO になっている場合、それをMANUAL に変更してください。
PC連動電源機能 とは
一部のLinkStation には 「PC連動電源機能」が搭載されています。これは例えばLS-QVLシリーズのマニュアル では以下のように説明されています:
LinkStationの電源は、本製品付属のNAS Navigator2をインストールしたパソコン本体の電源ON/OFFに合わせて、自動的 にON/OFFすることもできます。
MANUAL( 出荷時設定 ):本製品の電源スイッチ で電源を ON/OFF できます。パソコンの電源には連動 しません。
AUTO:NAS Navigator2 がインストールされたパ ソコンが全て電源 OFF になると自動的に LinkStation の電源が OFF になります ( パソコンの状態を監視する 微弱な電力は消費しています )。ネットワークで LinkStation に接続されたパソコンが 1 台でも電源ス イッチが ON になると、自動的に LinkStation の電源 が ON になります。
LinkStation の背面はケーブル類でごちゃごちゃしがちなので、手探りで触った時にスイッチが切り替わってしまった結果、電源が勝手に落ちるようになってしまうことがあります。
この機能が搭載されている LinkStation には、おおよそ以下の期間に販売されていたモデルが該当します:
時期 | 代表的なシリーズ | |
---|---|---|
開始 | 2008年11月下旬 | LS-WSGL/R1 |
終了 | 2015年11月下旬 | LS-QVL/R5 |
もっと詳しい説明
PC連動電源機能は、NAS Navigator2をインストールしたパソコン本体の電源ON/OFFに合わせて、自動的 にON/OFFする機能と説明されています。
一方で、内部で行われている処理からすると、この機能は「LinkStation と同一のネットワーク内に NAS Navigator2 がインストールされたPCが存在するときに LinkStation の電源を入れ続けるもの」と表現したほうが正確に思われます。
Windows PC に NAS Navigator2 をインストールすると、その一部として「NAS PM Service」がインストールされます。NAS PM Service は一定間隔で LinkStation に起動し続けるようにメッセージを投げます。このメッセージは複数回分の Wake-on-LAN マジックパケット で構成されています。
LinkStation は、電源が入っていないときにこのメッセージを受信すると、電源を入れ、規定時間経過後に電源を切るように計画します。電源が入っているときにメッセージを受信すると、電源を切る時間をそこから規定時間後に再計画します。
メッセージが受け取れなかったときに起こる電源断までの規定時間は、手元のLS-WX1.0TL/R1J (F/W Ver.1.71) で実測したところ約5分でした。
この動作の結果として、LinkStation は自分と同一のネットワーク内に NAS Navigator2 がインストールされたPCが存在するときに自身の電源を入れ続けます。
このような仕組みになっているので、NAS Navigator2 が起動しているかどうかは関係がありません。NAS PM Service さえ起動していれば LinkStation は起動し続けます。
PC 連動電源機能の応用
上記のような内部構造を踏まえると、PC連動電源機能には2つの応用方法があることがわかります:
- PC からLinkStation の ON / OFF をコントロールする
- iPhone, Android, Linux などでPC連動電源機能と同等の機能を実現する
- 外部からLinkStation を起動する
PC からLinkStation の ON / OFF をコントロールするには、NAS PM Service を手動起動に設定し、サービスの状態を net コマンドでコントロールすればよいことがわかります。
iPhone, Android, Linux などでPC連動電源機能と同等の機能を実現するには、これらの端末から規定時間よりも短い間隔で定期的にWoLのマジックパケットを送信すればよいことがわかります。
たとえば、Android には NAS Wake On LAN というアプリケーションがあります。
LANの外部からLinkStation を起動するには、 WoL マジックパケット2回分がLinkStation に届くように中継するルーターなどを設定すればよいことがわかります。
ただし、WoL のマジックパケットを WAN からLANへ中継するために特別な操作が必要だったり、代わりにVPNを構築する必要があったりするルーターもあります。
当然どちらもメーカーの想定した使い方ではありませんし、弊社でも実行したことで何らかの問題が発生した場合の責任は負いかねますが、実際に可能です。
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