RAID復旧? or データサルベージ?
TeraStationは、4台のハードディスクを連結したRAIDの構成です。
- RAID5で構成されている場合には、1台まで、
- RAID6で構成されている場合には、2台まで、
- RAID10で構成されている場合には、異なるペアの2台まで、
ハードディスクの物理障害からRAID復旧できます。
しかし、それ以上の台数で物理障害が発生した場合、データサルベージが必要になります。
ハードディスクの物理障害の判定方法
用意するもの
- ミドルタワー以上のパソコン(筐体のカバーを外した状態)
- IDEケーブルもしくはSATAケーブル(TeraStationのハードディスクによりいずれか)
- ハードディスクへ供給する電源ケーブル
手順
4台のハードディスクを1台ずつ、パソコンに接続してWindowsを起動します。
(可能であれば、Windows XPを使用。Windows 2000以下は不可)
- 電源を入れた途端に、ハードディスクから異音が聞こえてきた場合には、すぐに電源を切ります。このハードディスクは、物理障害です。
- Windowsが起動しない場合は、そのハードディスクは、物理障害です。
- Windowsが起動した場合、
- コントロールパネル→管理ツール→コンピュータの管理を起動
- ディスクの管理をクリック
- Windows以外のハードディスクが表示されているのを確認
- そのハードディスクの容量が正しく表示されない場合、物理障害です。
- 可能であれば、S.M.A.R.T 判定ソフトを起動して、ハードディスクの寿命等を確認します。
※本来であれば、上記の写真イメージを掲載するのがスジでしょうが、文章だけで何をどうすれば良いのか理解できない方は、データ保護の観点から操作しない方が無難と考え、敢えて写真掲載をしていません。
RAID復旧なのか、データサルベージが必要かの判別
- RAID5の場合
- 物理障害のハードディスクが1台 RAID復旧
- 物理障害のハードディスクが2台以上 データサルベージ
- RAID6の場合
- 物理障害のハードディスクが1台 RAID復旧
- 物理障害のハードディスクが2台 RAID復旧
- 物理障害のハードディスクが3台以上 データサルベージ
- RAID10の場合
- 物理障害のハードディスクが1台 RAID復旧
- 物理障害のハードディスクが2台
- 1番と2番の場合 データサルベージ
- 1番と3番の場合 RAID復旧
- 1番と4番の場合 RAID復旧
- 2番と3番の場合 RAID復旧
- 2番と4番の場合 RAID復旧
- 3番と4番の場合 データサルベージ
- 物理障害のハードディスクが3台以上 データサルベージ
弊社で扱った案件で、1件だけ、RAID5構成で2台のハードディスクに物理障害が見られ、残念ながら復旧できなかった事が有ります。
RAID復旧では、データ復旧率100%が当たり前
ソフトウェアRAIDで構成されているTeraStationのRAID復旧をする場合、使用されているソフトウェア(Linux)で復旧するため、データ復旧率は100%となるのが至極当然なことになります。(※1)
すなわち、Linux におけるソフトウェアRAIDの仕組みを熟知している方(業者)であれば、データ復旧率100%の復旧が可能ということになります。
更に、TeraStationの仕組みを理解していれば、TeraStationの復旧が可能になります。(換言すれば、TeraStationを故障する前の状態に戻すことが可能になります。但し、ユーザ設定などを除きます。)
※1 但しデータ部のセクターにリードエラーが発生している場合は、そのセクターを含むデータは復旧できない場合があります。
データサルベージを依頼する場合の注意点
物理障害のハードディスクのデータ部のパーティションを取り出し(データサルベージ)できれば、後はソフトウェアRAIDの仕組みを利用しての復旧作業になります。
すなわち、TeraStationのデータサルベージを依頼する場合
- データサルベージの技術力(物理障害のディスクからデータ部取り出し)
- LinuxにおけるソフトウェアRAIDの仕組みを熟知している
の二点が、業者選択の基準になります。