使用中の TeraStation になにかしらの問題が発生し、TeraStation のデータ復旧を業者に依頼しなければならなくなった時に、よりスムーズに適切な料金でサービスを受けるためにあらかじめ確認しておきたい事柄が3つあります。
今回はその3つの事柄について説明します。
なぜ確認しておくべきなのか
データ復旧を業者に依頼するとして、その方法は主に以下の3通りがあります:
- 電話で問い合わせる
- Webフォームから問い合わせる
- 店頭に直接持ち込む
そこで問い合わせた時に、何も聞かずに受け取る業者というのは皆無でしょう。
もしあるとすればそれはこういうことです:
- どうせ聞いても正しい情報は得られないから聞くだけ無駄
- 技術者に丸投げするだけだから自分にとってはどうでもいい
一見して、依頼するときに面倒がない分、良い業者に思われるかもしれませんが、裏にある考えはこういうことです。このように侮られることを許しておくと、不当に高額な見積りが提示されることにつながります。復旧業者に依頼するにあたって、「自分はここまではわかっているぞ」と示しておくことはとても重要です。
また、実際に作業する技術者は、正確な情報が多く提供されるほど、効率的に作業を進められるようになるので、納期の短縮にもつながります。これは、業務で使われることが多い TeraStation の復旧においては重要な事柄です。
よりスムーズに適切な料金でサービスを受けるためには、より正確に、より多くの情報を復旧業者にあらかじめ示しておくことが重要です。本稿で説明する3つの確認事項をおさえておけば、復旧業者に与えておくべき情報が十分に揃います。
何を確認しておくべきなのか
TeraStation のデータ復旧を業者に依頼する前に確認しなければならないのは以下の3つの事柄です:
- 障害発生前の構成
- 障害発生の経緯
- 障害発生後の現状
以下では、これらについてより詳しく説明します。
障害発生前の構成を確認する
ここでおさえておくべき項目は以下の通りです:
- 型番
- RAID構成
- 格納データ量
型番は本体背面に貼ってあるシールで確認できます。これは例えば以下のようなものです:
- TS-QVH12TL/R6
- TS5400D0404
TS-QVHL/R6 や TS5400D などのシリーズ名でも構いませんが、この場合は別途、内蔵HDDの容量を確認しておくと、クローンHDDの作成用に準備するHDDが事前にわかるため、作業が幾分スムーズに進みます。
RAID構成は TeraStation の 管理画面 もしくは NAS Navigator から確認できますが、データ復旧を依頼しなければならない状態のTeraStationの場合には確認できないかもしれません。RAID構成が定かではない場合は、その旨を明確に伝えることで、間違ったRAID構成を伝えたことで生じる作業の混乱を防ぐことができます。
格納データ量は、内蔵HDDの総容量ではなく、それに実際にどれだけのデータが格納されていたかという情報です。これも、データ復旧を依頼しなければならない状態のTeraStation では確認できないかもしれませんが、復旧料金が格納データ量で変化する業者があるので、おおよそでもいいので伝えておくとよいでしょう。
また、復旧業者は伝えられたデータ量と、作業の結果得られたデータ量を比較して、作業の妥当性を検証します。なるべく早く、なるべく多くのデータを取り戻すためにも格納データ量は重要な項目です。
格納データ量は TeraStation のメール通知機能から送信されるHDD状態定期報告メールにも記載されています。まだ壊れていないTeraStationや、これから使うTeraStationでは、なるべくメール通知機能を利用しましょう。
障害発生の経緯を確認する
データ復旧を依頼するTeraStationが障害に至った経緯は、それが複雑であるほど重要です。これは例えば、以下のようにまとめておくとよいです:
3/8 エラーE30 HD1 broken replace the disk が発生
3/9 新しいHDDに交換,リビルドを開始
3/10 再びエラー E30 HD2 broken replace the disk 発生
E30 HD3 broken replace the disk が発生
加えて E14 HD1 unmountが発生
この例では、HD1(1番目のHDD)で障害が発生して、それを交換してリビルド中にHD2で障害が発生しています。
これがRAID5で構成されていた場合には、HD2 を修復するよりも、古いHD1を修復してデータを取り出すほうが、スムーズに作業が進められる場合があります。そのためには古いHD1が必要になります。RAID製品の経験が豊富な復旧業者ならば、この経緯を伝えれば、古いHD1が必要になる可能性を予期して、それを告げることができます。
もし、依頼時に古いHD1を渡しておかなかった場合、業者が古いHD1を要求して、それが届くまでの間、作業が停滞することになります。
そのようなことを避けるためにも、障害発生の経緯を確認し、業者に伝えておくべきです。
障害発生後の現状を確認する
前項の障害発生の経緯の確認が現状の情報を含んでいるため、多くの場合はそれで充分です。
それ以外に確認すべき現状については、「自分はここまではわかっているぞ」をどれだけ示すことができるかにかかわっています。
例えば、HDD 4台 の RAID5 で以下の情報が添付されているとします:
念のため、どのHDDがおかしいのかPCにつないで確認してみました:
HD1 NG パソコンのBIOSで認識せず
HD2 NG パソコンのBIOSで認識せず
HD3 OK S.M.A.R.T 正常
HD4 OK S.M.A.R.T 正常
この場合、よっぽど間抜けな業者以外は特別な理由もなく HDD 1台分以上の物理障害を計上することはありません。なぜならば、この場合には3台の健常なHDDがあればデータが復旧できるからです。復旧できないとしたら、それは論理障害によるものです。
ただし、ここで深追いしすぎて、HDDの障害を悪化させては元も子もありません。自分の理解の及ぶ範囲でほどほどに確認しましょう。
まとめ
よりスムーズに適切な料金でデータ復旧サービスを受けるためには、より正確に、より多くの情報を復旧業者にあらかじめ示しておく必要があることをお伝えしました。
TeraStation のデータ復旧を業者に依頼する前に確認しなければならないのは3つの事柄について説明しました。その3つの事柄とは以下の通りでした:
- 障害発生前の構成
- 障害発生の経緯
- 障害発生後の現状
本稿をお読みいただいた方々が、納得のできるデータ復旧サービスを受けることができることを願っています。
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