[出張データ復旧]RAID1で設定だったのに、RAID0に!

LS-WH1.0TGL/R1

機器種別LinkSTation
型番LS-WH1.0TGL/R1
構成RAID1 500GB×2
容量500G
データ量100GB
所要時間2日
料金86,400円出張データ復旧費用を含む


金曜日の夜の電話

 金曜日の夜、8時頃に電話が有りました。

「RAID1で構成したはずのLS-WH1.0TGL/R1のLinkStationが、理由が判らないが、RAID0になっているようだ。このような場合、データ復旧できるのか?」

「もしかして、ファームウェアのアップデートを行いましたか?」

「アップデートはやってみた。何か問題が有るのですか?」

「TeraStationの場合ですが、一部の機種のファームウェアに障害が有って、前のRAID構成が消えて、RAID0になってしまうということは有ります。」

「で、データ復旧はできるのか?」

「やってみないとわかりませんが、上位のフォルダは消えますが、下位フォルダのデータは復旧できると思います。」

「こちらは仙台市内の金融機関だが、出張修理は可能か?」

「デスクトップのパソコン2台を設置するスペースを確保して頂ければ、そちらで作業致します。」

今回の復旧作業のタイムテーブル

No日時内容
12016/4/22 8:00 PMお客様からの電話
29:00 PMお客様から依頼の電話
32016/4/23 10:30 AMお客様へ訪問 作業開始
415:00 PM1番目のハードディスクのコピー終了
解析の開始
2番目のハードディスクのコピー開始
520:00 PM2番目のハードディスクのコピー終了
解析の開始
帰宅
62016/4/24 10:00 AMお客様へ訪問二日目
2番目のハードディスクでデータ取り出し開始
713:00 PM取り出したデータをお客様が確認
作業で使用したハードディスクは、お客様により、
完全消去を依頼して、撤収。


データ復旧依頼までの経緯

 仙台市内の金融機関の情報システム部からの依頼でした。RAIDデータ復旧ソフトでは、有名な「復旧天使」を試したがダメだったので、弊社への依頼となったようです。

停電後、電源を入れ直したら、エラーが発生した

 仙台市内で、瞬間停電が発生しました。弊社でも感じたものでした。この停電で、LinkStationの電源が落ちたので、電源を投入したところ、LinkStationの共有フォルダが開けなくなったようです。

EMモードになり、ファームウェアのアップデートを実行した

 連絡を受けた情報システム部の担当者が、LinkStationの症状を確認すると、EMモードになっていたので、ファームウェアのアップデートを行ったようです。
 ファームウェアのアップデートは失敗したので、どうすることもできず、自力でのデータ復旧を試みたようです。

RAID1で設定したはずなのに、RAID0になっていた

 RAIDデータ復旧ソフトで有名な「復旧天使」をダウンロードして、LinkStation内のハードディスクを接続して起動してみたところ、RAID0の表示になっていた。

以上の経緯から、仙台市内で、出張データ復旧サービスを展開している、弊社への依頼となったようです。

ファームウェアのアップデートで、RAID0になる現象

 TeraStationのTS-Xシリーズでは、メーカーからの公式説明が有りますが、LinkStationでは、弊社は確認できていません。
 しかし実際には、今回のように現象としては、発生しているようです。
ファームウェアの障害なのか、ハードディスクや機器の状態がそうさせるのか、不明です。(おそらく、ファームウェアの障害だと思いますが、、、)

メーカーへ問い合わせると、必ず、
「ファームウェアのアップデートを実行してみて下さい。これで改善せず、中のデータが必要な場合は、データ復旧会社へ依頼して下さい。」
と、言われてしまいます。これでは、注意のしようが有りません。

弊社の作業

ハードディスク2本のクローン作成

 出張データ復旧だろうと、弊社でのデータ復旧作業だろうと、弊社の作業手順は変わりません。

①ハードディスクのクローンを作成する。
②クローンを用いて、データ復旧する。

出張データ復旧サービスの場合は、この後、作業に使ったクローンのハードディスクの取り扱いが異なります。
 出張データ復旧サービスを利用するのは、データを外部へ出さない為に使用します。それ故、弊社では、次の二択を提示します。

1)クローンハードディスクを購入する。
2)お客様自身で、納得のいく形で消去して、弊社へ返却する。

今回のお客様は、ご自身で消去する方を選択しました。後日、ハードディスクを完全に消去する手順の説明書を送付しました。

RAID1の場合の弊社のデータ復旧

 2台でRAID1を構成している場合で、2台共ハードディスクのクローンの作成が出来た場合、弊社では、双方のハードディスクからデータ復旧を行います。
 これまでの経験で、双方のハードディスクから復旧した結果が異なる場合があるからです。
 納品するUSB外付けハードディスクの容量が許せば、双方からの復旧結果を保存して納品します。

初期のRAID構成と異なる場合のデータ復旧方法

 この場合、RAID構成情報が壊れているの場合、もしくは、ファームウェアのアップデートなどで、RAID構成情報が上書きされた場合になります。弊社では、以下の2種類の方法でデータ復旧作業を行います。

①専用ソフトで、強制的に正しいRAID構成を行う。
 作業時間は、短くなるが、専用ソフト依存の為、正しくデータ復旧できない場合が有ります。

②新たに2台のハードディスクを用意して、対象のNASと同型機で、初期のRAID構成で初期化して、RAID構成情報を抜き取り、クローンのハードディスクにRAID構成情報を移植します。
 作業時間は長くなりますが、LINUX上のmdadmというRAID構成用のコマンドを使用するので、元々のNASと同じ状態を構築できるので、データ復旧率が高くなります。

今回は、出張データ復旧で、土曜日、日曜日に客先での作業だったので、上記①の「専用ソフトで、強制的に正しいRAID構成を行う。」の方法でのデータ復旧を試みました。

ログの解析

 お客様が言われるRAID構成と、ハードディスクの情報から読み取れたRAID構成が異なる場合、NASのOS部に格納されている、ログを解析することになります。
 ログは、通常、購入時からの、起動情報、ファイルやフォルダへのアクセス状況、設定値変更時の情報など、ユーザーが操作した内容や、NASの自己検査内容などが、書き込まれています。

 しかし、今回解析できたログは、つい最近の分だけでした。これは、ファームウェアのアップデート等で、ハードディスクが初期化されてしまった場合に起きる現象です。
 結果、購入時に設定した内容は不明でした。

 このような場合は、
1)現在のRAID構成でデータ復旧を試す。
2)お客様の言われたRAID構成でデータ復旧を試す。
の両方を行い、結果の良い方を採択することになります。

1番目のハードディスクでのデータ復旧

 1番目のハードディスクのクローンを作成後、専用ソフトで見たところ、やはり、RAID0でした。

 RAID0で、データ復旧を試みたところ、フォルダ名が完全に見えない状態でした。なので、RAID1構成の可能性が大です。

 RAID1で、データ復旧を試みました。しかし、フォルダ名は見えない状態でした。

2番目のハードディスクでのデータ復旧

 1番目のハードディスクからのデータ復旧を試みている間に、2番目のハードディスクのクローンを作成していました。

 1番目のハードディスクからのデータ復旧の結果が、芳しくなかったので、2番目のハードディスクで、データ復旧を仕掛けて、第一日目の作業は終了しました。

 作業2日目、2番目のハードディスクでのデータ復旧が終了したので、結果をUSB外付けハードディスクへのコピーを開始しました。
 すると、フォルダ構成の3段目のフォルダに、shareフォルダ以下のファイルが有りました。

 すかさず、お客様に確認して頂いたところ、一年前のバックアップと比較して、概ね良好ということで、作業は終了しました。

弊社の見積

御見積書

内容数量単価金額
LinkStation2台構成1TB一式-54,000円
出張データ復旧サービス(しない)一式32,400円32,400円
合 計(消費税込み)86,400円