故障したTeraStationの液晶表示
故障したTeraStationに電源を入れた場合の液晶表示は、
- ①起動の途中で、液晶画面の表示が変わらない。
- ②Beep音が鳴り、赤い液晶画面で、EMモードと表示されている。
- ③Beep音が鳴り、赤い液晶画面で、「E04 Can’t Load Krnl!」などと表示される。
に、分類されます。
TeraStationの起動時の動作
次に、TeraStationの起動時の動作を見てみます。
TeraStationのしくみでも説明している通り、TeraStationはサーバー機なので、LINUXで動作するサーバーと同じ動作をします。特徴的なのは、RAID構成がソフトウェアRAIDになっているので、OSの起動時にRAIDの構成がされます。
以下に、電源投入後のTeraStationの初期動作を簡単に記述します。
- (1)ハードウェアの確認
電子基板に保存されているBIOS(バイオス)が、電子基板の状態とハードディスクの状態を確認します。
- (2)OSの起動
OS部内にある起動プログラムが動作して、起動の準備を開始します。それぞれのパーティションのRAIDを構成します。
- (3)パーティションのマウント
OS部、OSのバックアップ部、スワップ部、データ部をマウントします。
- (4)サンバ(ファイル共有)の起動
データ部のファイル共有ができるように、準備します。
エラーメッセージの表示と起動時の動作の関係
「①起動の途中で、液晶画面の表示が変わらない。」場合
この現象は、通称「ハングアップ」したものと言え、主に「(1)ハードウェアの確認」の段階で起きると思います。
例えば、ハードディスクの状態を確認している時に、
- ハードディスクからの応答が帰ってこない
- ハードディスクからの応答が予期していないデータ
などが考えらえます。
「②Beep音が鳴り、赤い液晶画面で、EMモードと表示されている。」場合
EMモードについては、別のページ「EMモードからの復旧方法」に詳しく記述しているので、ここでは簡単に説明します。EMモードは、TeraStation側で、「もう修理しないと使えませんよ」と判断した場合に表示されるようです。
発生タイミングは、「(1)ハードウェアの確認」の段階が終了した直後のように見えます。
E04などのエラー表示が行われた後、何回か再起動すると、EMモードへ移行するようです。(詳しくは、「E04の対処方法」参照下さい。)
EXXのエラー表示とEMモードの違いは、
EXXのエラー表示の場合、表示されているエラーを解消する操作を行えば、エラー表示が無くなる場合が多いです。
EMモードの場合、TeraStationのファームウェアのアップデートもしくは、TeraStationの初期化作業を行わないと、解消できません。おそらく、EMモードになったというフラグが、基盤内のROMに書き込まれてしまうと思います。
EMモードになった場合、ファームウェアのアップデートを行うかどうかについては、「LinkStation がEMモードになった時にファームウェアアップデートを試すべきか」を参考にして下さい。
「③Beep音が鳴り、赤い液晶画面で、「E04 Can’t Load Krnl!」などと表示される。」場合
TeraStationが表示するエラーは、色々有ります。ここでは、TeraStationの起動時に表示されるエラーと、起動の動作との関係を表にまとめました。
エラーコード | エラー内容 | 起動の動作 |
---|---|---|
E04 | ファームウェアが破損しています。 | (1)ハードウェアの確認か、(2)OSの起動 |
E13 | RAIDアレイでエラーが発生しました。RAID1、5、10のときはデグレードモードとして動作します。 | (3)パーティションのマウント |
E14 | RAIDアレイがマウントできませんでした。 | (3)パーティションのマウント |
E15 | ハードディスクの不良セクタが危険な範囲に達しました。 | (1)ハードウェアの確認 |
E16 | ハードディスクが見つかりません。 | (1)ハードウェアの確認 |
E22 | ハードディスクのマウントに失敗しました。 | (3)パーティションのマウント |
E23 | エラーが発生し、ハードディスクがRAIDアレイから外されました。 | (3)パーティションのマウント |
E30 | ハードディスクが故障しています。 | (1)ハードウェアの確認 |
まとめ
故障したTeraStationのエラー表示には、
- ①起動の途中で、液晶画面の表示が変わらない。
- ②Beep音が鳴り、赤い液晶画面で、EMモードと表示されている。
- ③Beep音が鳴り、赤い液晶画面で、「E04 Can’t Load Krnl!」
の3種類が有り、
TeraStationの起動時の動作は、大きく分けて、
- (1)ハードウェアの確認
- (2)OSの起動
- (3)パーティションのマウント
- (4)サンバ(ファイル共有)の起動
の4段階になることを説明しました。
そして、故障したTeraStationのエラー表示と、TeraStationの起動時の動作との関係を説明しました。
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