NASのデータ復旧は思うほど難しくはありません!
有効なツールと、丁寧なサポートが有れば、誰でもできるようになっています。
高額な復旧料金を支払う必要は有りません。
- NASのデータ復旧に必要な物
- ハードディスクの故障の程度
- RAID構成について
- まずは、「NAS-RESCUE」を使ってみる
- データ復旧が出来なかった場合
- 故障ハードディスクの対処方法
E04やEMモードになった場合、あれこれ操作して TeraStation や LinkStation を元に戻そうとするより、データ復旧した方が結果的に時間の節約になります。「急がば回れ!」ということです。
E04の対処法 やEMモードからの復旧方法などでも説明していますが、E04やEMモードになる主な原因は、NASのOS部の障害です。それ故、データ部は安全である確率が高いです。
もっと詳しく、NASのデータ復旧について知りたい方の為に、無料レポートを作成しました。下記のリンクから申し込んで下さい:
1. NASのデータ復旧に必要な物
①パソコン(DVDドライブ、USBポートが必須。Windowsが正しく起動すること)
②USB←→SATA変換ケーブル(NASの内蔵ハードディスクの台数分が必要)
③NAS-RESCUE(内蔵ハードディスクの台数により、1台構成用、2台構成用、4台構成用が有ります。)
ハードディスクの状態が悪くて、ハードディスクのコピー(クローン)を作成する必要がある場合、
④クローンマイスター
⑤クローン用のハードディスク
2. ハードディスクの故障の程度
ハードディスクが故障 = データ復旧困難
という図式は、ほとんど当てはまりません。(弊社の経験値)
世の中の機械の故障の仕方と同様に、ハードディスクも初期段階から、重篤な故障が発生する確率は低いです。(一部の特定の機種は、突然重篤な状態になりますが)
ただ、ハードディスクの故障の判定は、業者にしか行えず、一般ユーザーは、中のデータが見えるか、見えないかの二択です。
データが見えない場合、業者から「論理障害の中度」、「物理障害の重度」と言われても理解できず、結果としての復旧料金だけが気になる状態だと思います。(故障の程度の定義があいまいな、復旧業者もいるようです)
そこで、「ハードディスクの故障の程度」について、弊社の見解をここで説明致します。
ハードディスクの故障には、大きく分けて、論理障害と物理障害になります。定義の仕方は、色々有りますが、弊社では次の定義を採用しています:
障害種別 | 定義 |
---|---|
論理障害 | パソコンに接続してハードディスクとして認識される場合 |
物理障害 | パソコンに接続してハードディスクとして認識されない場合 |
この障害のそれぞれに、軽度、中度、重度と3段階で分類します。
2.1. 物理障害のハードディスク
物理障害が起きているハードディスクの場合、基盤、ヘッド、プラッタ、モーター等の修理または交換が必要になるので、データ復旧業者に依頼しても不可能な場合が多いです。弊社が扱った案件中、数%程度の発生確率になります。但し、Seagate製のST○○○○DM○○○というハードディスクの場合は例外的に多く、物理障害が発生しています。
2台以上のハードディスクで構成されるNASの場合、RAID0の構成以外のRAID構成であれば、物理障害が発生したハードディスクを外した状態で、条件に合えば、デグレードモードで動作します。(詳しくは、3節を参照下さい。)
1台構成もしくは、RAID0で構成された場合で、ハードディスクに物理障害が発生した場合は、データ復旧がかなり難しくなり、データ復旧料金は、高額になります。(復旧できない場合も有ります。)
弊社では、ハードディスクの開封作業を伴うデータ復旧を行わないことにしました。
主な理由は、
①低価格でのサービスが困難になること。
クリーンルームなどの施設、高額な復旧ソフトやツールが必要な為、経費が掛かりすぎて、結果的にデータ復旧料金が高くなります。
②バックアップをとっての作業が出来ない事。
ハードディスクを一旦開封すると、元には戻せなくなります。最悪データ復旧ができなかった場合、他の業者へ依頼しても断られるか、超高額な復旧料金になり、結果的にお客様のデータを永遠に葬り去ることになります。
2.2. NASのハードディスクのデータ構造と論理障害
NASのハードディスクのデータ構造を下図に示します。
ハードディスク内のデータ保存領域には、サービスエリアとユーザーエリアに分かれます。
サービスエリアには、ハードディスク固有の情報が保存されており、ユーザーはこのエリアにはアクセスできません。
このエリアをRead出来ない場合、ハードディスクが認識されず、物理障害になります。
論理障害は、ユーザーエリアの領域で、データ保存の最少単位であるセクタ(512バイトもしくは4096バイト)のReadエラーが発生した場合に当ります(他の要因で発生する、データ間の不整合でも発生します)。
ユーザーエリアは、ユーザーが自由に読み書きできる領域ですが、Readエラーの発生個所により、取り出すデータに影響を及ぼします。
この影響の度合いにより、軽度、中度、重度の3段階に論理障害は分かれます。
Readエラーの発生領域 | 現象 | 障害種別 | 深刻度 |
---|---|---|---|
パーティションテーブル | ハードディスクのパーティションが見えない | 論理障害 | 重度 |
パーティション情報 | パーティションを開けない | ||
RAID構成情報 | RAID構成後のパーティションが開けない | ||
ファイルインデックス(i-node) | データファイルの一覧が見えない | 中度 | |
データ | ファイルが開けない | 軽度 |
ここで注意していただきたいのは、中度論理障害以上になると、一般のお客様から見た場合の問題の度合いはあまり変わらないということです。なぜならば、この場合の問題というのは「ハードディスクに格納されているデータがすべて見られない」ということだからです。それが復旧業者視点でどのような深刻度であるかということは、業者に復旧を依頼して料金を請求されない限りは区別する意味がありません。
しかし、そこを区別しないということは、極端に言えば、復旧業者が十把一絡げに提示する重度論理障害判定に応じた請求を甘んじて受けなければならなくなるということです。
逆に言えば、手元のハードディスクに発生している障害の内容をお客様自身が事前にある程度把握できていれば、必要以上の復旧料金を請求されるという事態に対する防衛が可能になるということです。
2.3. ハードディスクの障害の程度とコピーツール
障害が発生したハードディスクからデータ復旧するには、ハードディスクのクローン(コピー)を作成して、クローンのハードディスクを使用してデータ復旧するのが、一般的です。
ここで、ハードディスクのコピーツールの障害対応をまとめます。
障害の程度 | 深刻度 | 市販のバックアップツール | クローンマイスター | PC-3000 |
---|---|---|---|---|
論理障害 | 軽度 | ○ | ○ | ○ |
中度 | △ | ○ | ○ | |
重度 | △ | ○ | ○ | |
物理障害 | 軽度 | × | × | △ |
中度 | × | × | △ | |
重度 | × | × | × |
注意事項:
※クローンマイスターは、弊社が開発したコピーツールです。格安な回数制限版が有ります。
※PC-3000は、ハードディスクのデータ復旧ツールとして世界的に有名です。弊社も購入しています。
3. RAID構成について
複数台のハードディスクで構成されているNASは、RAID(レイド)を構成しています。
RAIDは、大雑把に言えば、複数台のハードディスクを束ねて、あたかも1台のハードディスクのように見せる技術です。
RAIDの詳細は、他のページに任せて、RAIDの特徴を挙げると、
①1台、もしくは2台のハードディスクが故障しても、中のデータは補償されること。(RAID0を除く)
②大容量のデータを保存することが可能なこと。
などです。
データ復旧では、①の「ハードディスクが故障しても、中のデータが補償される」、という利点を利用して行います。
内蔵のハードディスクの台数により、構成可能なRAIDは異なるので以下に分類し、データ復旧の可能性を示します。
3.1. 1台構成のNAS
当然、RAID構成は有りません。
ハードディスクの故障とデータ復旧の可能性
故障台数 | Diskの状態 | 復旧の可能性 |
---|---|---|
0台 | ○ | 可能性有り |
1台 | × | 無し |
Diskの状態 ○:正常 ×:故障
3.2. 2台構成のNAS
RAID0とRAID1の2種類存在します。
3.2.1. RAD0の場合
データをブロックに分けて、2台のハードディスクに交互に書き込みます。この為、RAID0構成のデータ復旧では、1台のハードディスクの故障でも、データの取り出しは、難しくなります。
2台構成のLinkStationの場合、ほとんどの場合RAID0で出荷されています。
最近、SOHOモデルなどが発売されており、この商品はRAID1で出荷されます。
ハードディスクの故障とデータ復旧の可能性
故障台数 | Disk1の状態 | Disk2の状態 | 復旧の可能性 |
---|---|---|---|
0台 | ○ | ○ | 可能性有り |
1台 | × | ○ | 無し |
○ | × | 無し |
2台|×|×|無し|
Diskの状態 ○:正常 ×:故障
3.2.2. RAID1の場合
通称ミラーリングと言われる構成で、2台のハードディスクに同じ内容を書き込むので、1台のハードディスクが故障しても、データ復旧は可能です。
ハードディスクの故障とデータ復旧の可能性
故障台数 | Disk1の状態 | Disk2の状態 | 復旧の可能性 |
---|---|---|---|
0台 | ○ | ○ | 可能性有り |
1台 | × | ○ | 可能性有り |
○ | × | 可能性有り | |
2台 | × | × | 無し |
Diskの状態 ○:正常 ×:故障
3.3. 4台構成のNAS
色々、RAID構成の選択肢が有りますが、主な設定は、RAID10、RAID5、RAID6になると思います。
3.3.1. RAID10の場合
RAID10は、2段階でRAIDを構成しています。
第一段階
Disk1とDisk2で、RAID1(これをグループ1とします)
Disk3とDisk4で、RAID1(これをグループ2とします)
第二段階
グループ1とグループ2で、RAID0を構成します。
ハードディスクの故障とデータ復旧の可能性
故障台数 | Disk1の状態 | Disk2の状態 | Disk3の状態 | Disk4の状態 | 復旧の可能性 |
---|---|---|---|---|---|
0台 | ○ | ○ | ○ | ○ | 可能性有り |
1台 | × | ○ | ○ | ○ | 可能性有り |
○ | × | ○ | ○ | 可能性有り | |
○ | ○ | × | ○ | 可能性有り | |
○ | ○ | ○ | × | 可能性有り | |
2台 | × | × | ○ | ○ | 無し |
× | ○ | × | ○ | 可能性有り | |
× | ○ | ○ | × | 可能性有り | |
○ | × | × | ○ | 可能性有り | |
○ | × | ○ | × | 可能性有り | |
○ | ○ | × | × | 無し | |
3~4台 | – | – | – | – | 無し |
Diskの状態 ○:正常 ×:故障
3.3.2. RAID5の場合
4台のハードディスクを用いて、いずれか1台のハードディスクが故障しても、RAID構成が崩壊せず、デグレードモードで動作し続ける構成になります。
ハードディスクの故障とデータ復旧の可能性
故障台数 | Disk1の状態 | Disk2の状態 | Disk3の状態 | Disk4の状態 | 復旧の可能性 |
---|---|---|---|---|---|
0台 | ○ | ○ | ○ | ○ | 可能性有り |
1台 | × | ○ | ○ | ○ | 可能性有り |
○ | × | ○ | ○ | 可能性有り | |
○ | ○ | × | ○ | 可能性有り | |
○ | ○ | ○ | × | 可能性有り | |
2~4台 | – | – | – | – | 無し |
Diskの状態 ○:正常 ×:故障
3.3.3. RAID6の場合
4台のハードディスクを用いて、いずれか2台のハードディスクが故障しても、RAID構成が崩壊せず、デグレードモードで動作し続ける構成になります。
ハードディスクの故障とデータ復旧の可能性
故障台数 | Disk1の状態 | Disk2の状態 | Disk3の状態 | Disk4の状態 | 復旧の可能性 |
---|---|---|---|---|---|
0台 | ○ | ○ | ○ | ○ | 可能性有り |
1台 | × | ○ | ○ | ○ | 可能性有り |
○ | × | ○ | ○ | 可能性有り | |
○ | ○ | × | ○ | 可能性有り | |
○ | ○ | ○ | × | 可能性有り | |
2台 | × | × | ○ | ○ | 可能性有り |
× | ○ | × | ○ | 可能性有り | |
× | ○ | ○ | × | 可能性有り | |
○ | × | × | ○ | 可能性有り | |
○ | × | ○ | × | 可能性有り | |
○ | ○ | × | × | 可能性有り | |
3~4台 | – | – | – | – | 無し |
Diskの状態 ○:正常 ×:故障
4. まずは、「NAS-RESCUE」を使ってみる
弊社が扱った案件の80%は、NAS-RESCUEを使用してデータ復旧が可能でした。
取り出したハードディスクを使用して、まずは、NAS-RESCUEに掛けて、データ復旧が可能かどうかを判定します。(弊社で作業する場合は、まずハードディスクのコピーを作成し、コピー先のハードディスクを使用して、データ復旧します)データ復旧できれば、ここで終了です。
内蔵ハードディスクの台数により、若干、操作方法が異なるので、それぞれの使用方法を説明します。
4.1. 1台構成用の使用方法
①NASからハードディスクを取り出します。
機種毎に分解方法が異なります。WEBで分解方法を検索して下さい。
中のハードディスクは精密品なので、強い衝撃を与えないように注意します。
②USB←→SATA変換ケーブルをパソコンに接続します。
③ブートメニューで、DVD起動に設定します。
ブートメニューの起動方法並びに設定方法は、パソコンによって異なります。詳しくはパソコンのマニュアル等を参照して下さい。
④NAS-RESCUEのDVDをセットしてパソコンに電源を入れます。
⑤NAS-RESCUEが起動します。
もし、起動しなかった場合、次節を参照下さい。
⑥ハードディスクをUSB←→SATA変換ケーブルにセットします。
⑦NASの中のデータが見えます。
⑧USBメモリ等にデータをコピーします。
ネットワーク経由でのデータ取り出しも可能です。
4.2. 2台構成用の使用方法
①NASからハードディスクを取り出します。
ハードディスクは精密品なので、強い衝撃を与えないように注意します。
②USB←→SATA変換ケーブルをパソコンに接続し、ハードディスクをセットします。
③ブートメニューで、DVD起動に設定します。
ブートメニューの起動方法並びに設定方法は、パソコンによって異なります。詳しくはパソコンのマニュアル等を参照して下さい。
④NAS-RESCUEのDVDをセットしてパソコンに電源を入れます。
⑤NAS-RESCUEが起動します。
もし、起動しなかった場合、次節を参照下さい。
⑥対象のRAID構成のアイコンをダブルクリックします。
⑦NASの中のデータが見えます。
⑧USBメモリ等にデータをコピーします。
ネットワーク経由でのデータ取り出しも可能です。
4.3. 4台構成用の使用方法
①NASからハードディスクを取り出します。
ハードディスクは精密品なので、強い衝撃を与えないように注意します。
②USB←→SATA変換ケーブルをパソコンに接続し、ハードディスクをセットします。
③ブートメニューで、DVD起動に設定します。
ブートメニューの起動方法並びに設定方法は、パソコンによって異なります。詳しくはパソコンのマニュアル等を参照して下さい。
④NAS-RESCUEのDVDをセットしてパソコンに電源を入れます。
⑤NAS-RESCUEが起動します。
もし、起動しなかった場合、次節を参照下さい。
⑥対象のRAID構成のアイコンをダブルクリックします。
⑦NASの中のデータが見えます。
⑧USBメモリ等にデータをコピーします。
ネットワーク経由でのデータ取り出しも可能です。
5. データ復旧が出来なかった場合
前節の「まずは、「NAS-RESCUE」を使ってみる 」で、データ復旧出来なかった場合、以下のような現象が考えられます:
- NAS-RESCUEが起動しなかった
- データが見えなかった
5.1. NAS-RESCUEが起動しなかった場合
NAS-RESCUEが起動しない場合、考えられる主な原因は、
5.1.1. DVD起動の設定ができない
例えば、「PCトラブル大図鑑」の「CD/DVDから起動する方法」を参照して、再挑戦してみて下さい。
5.1.2. ハードディスクが正しく接続されていない?
USB←→SATA変換ケーブルには、2本のケーブルが出ています。
1本目は、USBケーブルで、パソコンとの接続を確認します。
2本目は、電源ケーブルで、コンセントに接続されている事を確認します。
そして、USB←→SATA変換ケーブルとハードディスクが、確実に接続されている事を確認します。
「接続を確認する」ということは、再度、接続しなおしてみるということです。
5.1.3. ハードディスクが故障している?
ハードディスクが故障しているかどうかを判定するには、
まず、軽く触って、中のモーターの振動を確認します。
振動しているようであれば、接続が正しいということになります。
ですが、再度、USB←→SATA変換ケーブルとハードディスクを接続しなおして、挑戦してみます。
それでも、NAS-RESCUEが起動しない場合、
一度、USB←→SATA変換ケーブルをパソコンから外した状態で、NAS-RESCUEが起動するかどうかを確認します。
NAS-RESCUEが起動した場合 → そのハードディスクは故障しています。(物理障害)
NAS-RESCUEが起動しない場合 →
1)NAS-RESCUEのDVDが壊れている。
⇒弊社にNAS-RESCUEのDVDの交換を申し出て下さい。
2)DVDドライブがNAS-RESCUEのDVDからの起動を許可しない。
⇒パソコンのサポートなどに問い合わせます。
例えば、HP Customer Supportの「HP PC – コンピューターをブート可能 CD または DVD から起動できない (Windows 8)」などを参照して、挑戦して下さい。
3)DVD起動の設定が正しくない。
⇒例えば、「PCトラブル大図鑑」の「CD/DVDから起動する方法」を参照して、再挑戦してみて下さい。
5.2. データが見えなかった
データが見えなかった原因を考える場合、1台構成と、2台構成のRAID構成、そして4台構成では異なります。
5.2.1. 1台構成の場合
1台構成用で、データが見えない場合、ハードディスクが故障している事になります。
故障の程度は、6節で説明するので、そちらを確認して下さい。
ハードディスクの故障の程度は、以下のようになります。
①論理障害の中度か、重度
⇒クローンマイスターなどの、高機能のコピーツールを使って、ハードディスクのクローンを作成して、それからデータ復旧作業を行います。NAS-RESCUEやクローンマイスターをご購入された方は、弊社へ連絡頂ければ、サポートさせて頂きます。
②物理障害の軽度、中度、重度
⇒弊社などの復旧業者へ、データ復旧を依頼することになります。
弊社では、「物理障害の軽度」であれば、データ復旧を試みます。
5.2.2. 2台構成RAID0の場合
2台構成で、データが見えない場合、いずれか1台もしくは、2台のハードディスクが故障している事になります。
故障の程度は、6節で説明するので、そちらを確認して判定して下さい。
ハードディスクの故障の程度とデータ復旧の可能性
No. | Disk1の状態 | Disk2の状態 | 復旧の可能性 | 対策 |
---|---|---|---|---|
1 | ○ | ○ | 可能性有り | |
2 | ○ | △ | 可能性有り | クローン作成 |
3 | ○ | × | 無し | 復旧業者へ依頼 |
4 | △ | ○ | 可能性有り | クローン作成 |
5 | △ | △ | 可能性有り | クローン作成 |
6 | △ | × | 無し | 復旧業者へ依頼 |
7 | × | ○ | 無し | 復旧業者へ依頼 |
8 | × | △ | 無し | 復旧業者へ依頼 |
9 | × | × | 無し | 復旧業者へ依頼 |
Diskの状態 ○:正常 △:論理障害 ×:物理障害
上表の1,2,4,5の場合で、クローン作成した後でも、NAS-RESCUEでデータが見られない場合が有ります。この場合は、「8. それでもデータが見えない場合の対処方法」を参照下さい。
5.2.3. 2台構成RAID1の場合
2台構成のRAID1で、データが見えない場合、いずれか1台もしくは、2台のハードディスクが故障している事になります。
故障の程度は、6節で説明するので、そちらを確認して下さい。
ハードディスクの故障の程度とデータ復旧の可能性
No. | Disk1の状態 | Disk2の状態 | 復旧の可能性 | 対策 |
---|---|---|---|---|
1 | ○ | ○ | 可能性有り | |
2 | ○ | △ | 可能性有り | |
3 | ○ | × | 可能性有り | |
4 | △ | ○ | 可能性有り | |
5 | △ | △ | 可能性有り | クローン作成 |
6 | △ | × | 可能性有り | クローン作成 |
7 | × | ○ | 可能性有り | |
8 | × | △ | 可能性有り | クローン作成 |
9 | × | × | 無し | 復旧業者へ依頼 |
Diskの状態 ○:正常 △:論理障害 ×:物理障害
2台構成のRAID1の場合、どちらかのハードディスクが正常、もしくは、論理障害であれば、データを見られる可能性が有ります。
NAS-RESCUEで、データを見ようとする場合には、1台の接続でデータ復旧を試みます。
上表の1~8の場合で、クローン作成した後でも、NAS-RESCUEでデータが見られない場合が有ります。この場合は、「8. それでもデータが見えない場合の対処方法」を参照下さい。
5.2.4. 4台構成の場合
4台構成で、データが見えない場合、いずれかハードディスクが故障している事になります。
故障の程度は、6節で説明するので、そちらを確認して下さい。
ハードディスクの故障の程度とデータ復旧の可能性
No. | Disk1の状態 | Disk2の状態 | Disk3の状態 | Disk4の状態 | RAID10 復旧の可能性 | RAID5 復旧の可能性 | RAID6 復旧の可能性 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ● | ● | ● | ● | 可能性有り | 可能性有り | 可能性有り |
2 | ● | ● | ● | × | 可能性有り | 可能性有り | 可能性有り |
3 | ● | ● | × | ● | 可能性有り | 可能性有り | 可能性有り |
4 | ● | ● | × | × | 無し | 無し | 可能性有り |
5 | ● | × | ● | ● | 可能性有り | 可能性有り | 可能性有り |
6 | ● | × | ● | × | 可能性有り | 無し | 可能性有り |
7 | ● | × | × | ● | 可能性有り | 無し | 可能性有り |
8 | ● | × | × | × | 無し | 無し | 無し |
9 | × | ● | ● | ● | 可能性有り | 可能性有り | 可能性有り |
10 | × | ● | ● | × | 可能性有り | 無し | 可能性有り |
11 | × | ● | × | ● | 可能性有り | 無し | 可能性有り |
12 | × | ● | × | × | 無し | 無し | 無し |
13 | × | × | ● | ● | 無し | 無し | 可能性有り |
14 | × | × | ● | × | 無し | 無し | 無し |
15 | × | × | × | ● | 無し | 無し | 無し |
16 | × | × | × | × | 無し | 無し | 無し |
Diskの状態 ●:正常か論理障害 ×:物理障害
上表でDiskの故障の表記は、冗長にならないように、正常と論理障害をまとめました。
NAS-RESCUEにセットするハードディスクの最少台数は、
RAID10の場合、Disk1とDisk2のいずれか1台と、Disk3とDisk4のいずれか1台の計2台
RAID5の場合、いずれかの3台
RAID6の場合、いずれかの2台
となります。