機器種別 | TeraStation |
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型番 | TS-1.0TGL/R5 |
構成 | RAID5 250GB×4 |
容量 | 1.0TB |
データ量 | 300GB |
所要時間 | 2日 |
料金 | 126,000円 |
その為、データ復旧業者を探す所からはじめ、TeraStationの構造解析からデータ復旧を行うまでを記載しています。
お客様より電話が有りました。
「昨日、ブレーカがダウンした。その後、電源を投入したが、TeraStationが赤ランプを点灯するようになり、パソコンから接続できなくなった。事務所内のデータは、すべてTeraStationに入れておいたので、作業ができない。すぐに何とかしてくれ。」
急いでお客様の所へ急行。現場到着後、以下の現象を確認:
- 赤ランプ点灯
- 液晶には、「System EM mode booting…」「SYSTEM Error E04 Can’t Load Krnl!」と表示される
- パソコンからのpingはOK。しかし、WEBの管理ページは開けず
メーカーサポートへ電話
「ファームウェアのバージョンアップを行うと修復する場合が有り。出来なければ、本体を修理するしか有りません。データは保証できません。」
サポートの指示に従って操作を行うが、バージョンアップが完了できず、電源再投入で同じ現象。
再度、サポートへ電話、データ修復の費用を尋ねると、50万円以上。
知り合いの営業へ電話
「安くTeraStationのデータ復旧をできる業者を教えてくれ」
答えは、大サービスで 30万円。
ここは、何とかせねば……(データ復元が最低条件)
幸い、系列店舗に同じ機種のTeraStationが有る事を知り、そのTeraStationも復旧までの間、借用することに。
この時点での推測
ハードウェア障害(マザーボードもしくはRAIDコントローラーの故障)。
つまり、同機種のTeraStationへ、故障したTeraStationのハードディスクを全てを移設すると、データは復元するのではないか?
復旧作業開始
まず、250GBのハードディスクを4個用意して、問題のTeraStationのハードディスクを注意深く外して、それぞれの中のデータを特別なソフトを使って丸ごとコピーをする。(4台のパソコンを使用して、4時間以上かかった)
3番目のディスクのみにセクターコピー不可が20数箇所有った。残りの3台は、正常にコピー終了。ディスクの状態を検証すると、全てOK。無論、1台のディスクがダメであっても、RAID5の構成なので、リビルドすれば、データは復元するのだから……
ホッと胸をなでおろす。中のデータは、大丈夫。後は弊社の技術を駆使して、データを取り出せば良いのだ。
TeraStation解析、想定外の構造
TeraStationの構造について調査。
お預かりしたTeraStationのOSはLinux。RAIDは、ソフトウェアRAID。と言うことがわかった。
ソフトウェアRAID……
もろくも、最初の推測が的中せず。
次に、EMモードについて調べると、エマージェンシーモード(EMergency Mode)
ということで、LinuxのOS等が、ハードディスクからロードできない場合に発生することがわかった。
幸い、弊社にはLinux経験者が二人。(と言っても、一人は昔取った杵柄だが……)
パソコンに、HDD丸ごとコピーした4台のディスクをセットして、外付けのCDドライブから、Linuxを起動する。コマンドを駆使して、EMモードを回避するように設定。
TeraStationへ戻して、電源ON。
「何とか、EMモードにならないでくれ……」と念じながら……
しかし、敢え無く撃沈。
また、パソコンへセットして設定。TeraStationへセットして電源ON。
繰り返す事、8時間
やっと、TeraStationが正常起動。
パソコンから、管理WEBを開く。OK。ネットワークからデータを参照。OK。
お客様にネットワーク越しに、復元データを確認してもらい、OKを頂く。
HDD丸ごとコピーが異常であったディスクに対して、リビルドを実行。(一晩かかった模様)
梱包して、お客様へ発送して、データ復旧作業は終了。
結局、他社の提示価格以下で復旧できた…
作業日数は丸2日(実働 24時間)
部品代は、ハードディスク(250GB)4台
人件費と実費だけで約12万円を請求しました。
じゃあ
データ復旧業者から提示された高額な金額は一体何を根拠とした価格なんだろう?
ツールを作れば、安く済むデータ復旧って実はかなりあるんじゃないの?
ここから論理障害のみにターゲットする事で安くしたNASデータ復旧サービスの提供を決めました。