TS-2.0TGL/R5 「E04 Can’t Load Krnl」と表示される

TeraStation
機器種別TeraStation
型番TS-2.0TGL/R5
構成RAID5 500GB×4
容量2.0TB
データ量900GB
所要時間2日
料金121,000円

メールをチェックすると、「お問い合わせ」が有りました。

数日前、TS-HTGLBA3にE04 Can’t Load Krnlが発生しブート不能になりました。
本来であれば、事前に問い合わせすべきところですが、時間的効率を考慮し、既に御社宛に現物をクロネコPC宅急便にて送付いたしました。
お手数をお掛けしますが、実機の障害状況をご覧いただきたく存じます。

ご住所は、東京都。ならば、明日の午前中に届くはず。

TeraStation到着 ディスクのクローン作成

早速、開封。

すぐに4台のハードディスクを注意深く取り出し、新品のハードディスクにクローン作成を開始しました。

すると、4台目のハードディスクが認識しない!
「残り3台のハードディスクは大丈夫だろうか?」
作業に緊張が走りました。

ここで、お客様へメールにて状況報告。

本日午前11時30分頃、到着しました。
早速、4台のハードディスクを取り出して、
新品ハードディスクにクローン作成作業を開始しました。
現在のところ、
4台目のハードディスクが、物理障害を起こしており、
ディスクのクローン作成が出来ない状態です。
おそらく、本日午後7時頃には、修復可否の判定が下せると思います。

併せて、弊社の記名押印の有る、「機密保持契約書」をPDF形式で送付。
お客様より、「機密保持契約書」を覚書として了承を頂きました。
(弊社を信頼されている事に感謝)

クローン作成終了。復旧作業開始

午後6時頃、残り3台は、Readエラーが無く、正常にクローン作成が終了しました。(ホッと胸をなでおろす)

この時点での推測

4台目のハードディスクを外したまま、TeraStationを起動する。
TeraStationが「Degrade Mode」(※1)で起動すれば、ラッキー!後は、4台目のハードディスクを交換して、リビルドを掛ければOK!

※1 「Degrade Mode(デグレードモード)」とは、例えばRAID5で構成の場合、1台のハードディスクが無い状態で動作しているモード。この状態でもデータの読込や書き込みは可能であるが、残りのハードディスクに異常が発生した場合復旧不可になるので、とても危険な状態。

期待もむなしく…

ここからは、クローンハードディスクでの作業。
早速、4台目のハードディスクを外したまま、TeraStationを起動。
しばらくして、「E22 HD Can’t Mount」の表示。
しかしその後に、「E04 Can’t Load Krnl」

…期待を込めた「推測」は、敢え無く撃沈。

TeraStation専用復旧マシーンでの作業

「E04 Can’t Load Krnl」が表示されるということは、1台目のハードディスクに何らかの異常があるはず。

ここで、弊社開発のTeraStation専用復旧マシーンに、クローンハードディスクを装着しての作業を開始。
1台目のハードディスクのハードディスクの OS のロード部を中心に検査。
すると、読み取れないセクターが沢山出てきました。

セクターの修復を何度かトライする内に気付けば、午後8時。お約束の時間を過ぎていました。
ここで、現状報告。

只今の作業状況を報告します。
ハードディスク4台中、4台目のハードディスクが物理障害でコピー不可。
1台目のハードディスクのOSロード部にセクタ異常が発生しており、現在、TeraStation復旧マシーンにて、修復作業中です。

まもなく、データ復旧が可能となる見込みです。
データ復旧が出来ましたら、メールにて一部修復されたデータのダウンロードアドレスと、フォルダ一覧を送付いたしますのでご確認願います。

お客様より、すぐに返信。

状況について理解いたしました。
復旧の可能性があること、大変心強く思っております。
進捗がありましたらよろしくお願いいたします。

「Degrade Mode」でデータの確認成功

午後10時過ぎ。やっと、「Degrade Mode」になり、データを確認する事に成功。
データ量は、おおよそ900GB。
お客様に報告と共に、データ一覧、そしてお見積をメールにて送付。

データ内容を確認したお客様からは、夜遅くにも関わらず、すぐに発注を頂きました。

管理画面からリビルドを開始。

翌朝にリビルドが完了し、お客様へ送付いたしました。

到着後のお客様より

TeraStation受領しました。
一番重要なデータが復旧できており、大変感謝しております。
ディスク内は全て確認いたしました。
御社にてお預かりいただいておりますデータにつきまして破棄して頂けますと幸いです。
この度は、本当にどうもありがとうございました。

という、ご報告をいただき、ホッと一安心。

お預かりしていたデータの一部とクローンハードディスクを処分。

以上で作業終了。